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トランス脂肪酸輸入規制でタイ中が混乱

2018年7月にタイ保険省(FDA)は、トランス脂肪酸とPHO(部分的に水素化された油)を含む食品の生産、流通、輸入を禁止すると発表しました。

このトランス脂肪酸規制は、食品製造業者や輸入業者がトランス脂肪酸を含む食品の販売を禁止する規制です。違反すると6ヶ月から2年の懲役または、5,000バーツから20,000バーツの罰金になります。

食品業者は発表の7月から180日間の改善猶予期間を与えられており、トランス脂肪酸の禁止になるのは2019年1月9日からになります。

このトランス脂肪酸について話題だけが先行して、タイ国民にはトランス脂肪酸が何なのかちゃんと理解しないまま、「危ないもの」と思いいくつかの食品について混乱が起こっているようです。

 

例えば、タイの朝食でよく見かけるカイクラッタ(卵とソーセージ、豚のミンチと玉ねぎを炒めたものが小さなフライパンで提供される料理)の屋台からは客がいなくなっています。また、労働者層に人気の甘いロッティも客足が遠のいているようです。

このことについて、タマサート大学の食品科学技術の脂質についての専門家は、「これはトランス脂肪酸禁止を誤解している」と警告しています。

1940年代では人工的に作られた脂質は価格が安いためマーガリン、調理油、パンの製造やファストフードチェーンで使われていました。その人工的に作られた脂質の中にトランス脂肪酸は含まれていました。

トランス脂肪酸は、食品に酸味を生じさせないため消費期限を伸ばすことができ、また室温で液体化できるためパンの製造にとても適しており、バターより安価で購入することができます。

 

トランス脂肪酸はパン製造、特にパイの皮や、カノムピアと言われるタイのデザートの外側の皮を作るのに適しており、何十年もの間食製造業者はクッキーやクラッカー、冷凍食品、フライ用油などにトランス脂肪酸を使用してきました。

しかし1990年代に入ると、トランス脂肪酸は冠動脈疾患、脳卒中、悪玉コレステロールの増加など健康に害があることが分かりました。

マヒドン大学栄養研究所の所長のよれば、「タイでも長い間食品製造業界ではトランス脂肪酸が使われてきましたが、数年前から状況が変わってきています。現在ではほとんどの食品製造業者がトランス脂肪酸の使用を中止しており、市場に流通する食品の大部分はトランス脂肪酸が含まれていません。しかし、消費者はそれに気付いていません。」と語っています。

所長は、トランス脂肪酸の含有量をラベルに表示する計画を10年前に行いましたが、市場に流通する食品を調査したところ、トランス脂肪酸の含有量が予想より大幅に下回っていたことにより、トランス脂肪酸のラベル表示は行われませんでした。

今回のトランス脂肪酸使用禁止の制定については、トランス脂肪酸を使用し続けると主張する食品会社を規制するために作られた規制で該当する食品会社は少ないとみられるとのことです。

他に、今年6月にアメリカでトランス脂肪酸規制が始まりましたが、アメリカで既に製造している加工食品等は2020年まで販売して良いとなったため、その食品の輸入を規制する目的もあるようです。

WHOがトランス脂肪酸排除の方針を発表してから、各国がぞくぞくと規制を発表していますね。日本の農水省は未だに規制せず放置しているようですが。世界のトレンドに乗って早く規制を始めないと、せっかくヘルシーだと世界的に人気の日本食の評判が落ちてしまうかもしれませんね。まあ大きくなりすぎた外食産業やコンビニ業界からの圧力があるのでしょうね。